こんにちは高木です。今回も私が好きなTcl/Tkの話題です。
あまり概念的なことばかり話していてもしかたがないので、今回は実際にTcl/Tkを使うためにはどうすればいいかを書いてみます。具体的にはダウンロードしてインストールする方法についてです。
LinuxやmacOSの場合は、それぞれのパッケージマネージャを利用するのが一番簡単でしょう。ですので、今回はWindowsでTcl/Tkを使う方法に絞ることにします。Windowsでも、CygwinやMSYS2の環境であればそれぞれのパッケージマネージャを使ってください。WSL2でもパッケージマネージャを使えばインストールできますが、GUIを使うのはちょっと面倒なのでそこについては各自で調べてみてください。
ちなみにMSYS2上のTcl/Tkですが、最近はコンソールから操作ができなくなってしまっているようです。あまり深追いはしていないので原因は把握できていません。wish.exeを直接実行すれば専用のコンソールが表示されますので、それを使って操作することならできます。
Tcl/Tkはソースコードが公開されていますので、Cコンパイラさえあれば自分でコンパイルして使うことが可能ですが。しかし、多くの方にとって一番必要な情報は、サクッとインストールしてすぐ使えるようになる方法でしょう。そういう方々のために、あらかじめビルド済みのTcl/Tkが頒布されています。代表的なものはTcl/Tkの公式サイトからたどることができます。
公式サイトからリンクされているものはいくつかあります。具体的には以下の4つです。
このうちActiveTclとBAWTはマルチプラットフォーム、MagicslpatとIronTclはWindows専用のバイナリを頒布しています。それを選ぶかは好みもありますが、個人的にはMagicsplatがおすすめです。一応、ご自身で判断していただけるよう、それぞれの特徴を書いておきます。
ActiveTcl
割と昔からあるActiveStateというサービスが提供しています。ActiveSteteはTcl/Tk以外にもPythonやPerlも頒布しているので、それらを利用した方もいらっしゃるかもしれませんね。
拡張パッケージも豊富に含まれていますし、長年の実績もあって信頼できるサイトです。ただ、頒布されているTcl/Tkのバージョンが若干古いのと、ユーザー登録が必要です。デフォルトのインストール先はC:\ActiveTclになります。
BAWT
BAWTというのはBuild Automation With Tclの意味だそうで、さまざまな処理系でTcl/Tkをビルドするためのフレームワークを提供しているようです。もちろんビルド済みのパッケージも頒布していますので、インストーラをダウンロードしてすぐ使うことができます。
拡張パッケージもそこそこ豊富に含まれているようです。Tcl/Tkの最新版を頒布しているのもポイントが高いですね、デフォルトのインストール先はC:\Tclになります。
Magicsplat
MagicsplatではTcl/TkのWindows向けビルド済みパッケージを頒布しています。Webサイトはシンプルでわかりやすいので迷子になることはまずないでしょう。
今回紹介する4種類のサービスの中ではもっとも豊富な拡張パッケージを含んでいるように思います。Tcl/Tkの最新版を頒布していますし、Tcl/Tk 8.6.11に追従したのがもっとも早かったと記憶しています。インストール先がちょっとわかりにくいのだけが難で、C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Apps\Tcl86になります。普段はスタートメニュー等のショートカットを使うので問題ないのですが、CやC++から使うときだけ要注意です。
IronTcl
IronTclは非常にシンプルなサービスで、Tcl/TkのWindows向けビルド済みパッケージを頒布しています。インストーラはないので、Zipをダウンロードして好きなフォルダに展開すればインストール完了です。
使用しているTcl/Tkのバージョンが8.6.7と古いことと、他のサービスに比べると含んでいる拡張パッケージがやや少ないようです。
それぞれのサービスに一長一短はありますので、用途に応じて選ぶといいでしょう。
それでは今回はこの辺で