こんにちは、高木です。

私自身はあまり関与してはいないのですが、周囲でSESの話が出るためにある程度の状況は把握しています。
マッチングが主体のビジネスモデルですから、案件情報の数と種類、そして技術者の数と種類のバランスが重要になってくるようです。

そういう状況を踏まえて、今回はエンジニアの需要と供給について考えてみたいと思います。ちなみにここでいうエンジニアはソフトウェアのエンジニアのことを指しています。

これからエンジニアを目指そうとしている学生なんかが、「需要のある言語は何ですか?」といった質問をしているのをよく見かけます。市場のニーズを調べてから勉強し始めようとするところが、いかにも文系的な発想ですね。

それが悪いとはいいません。けれども、そのようなアプローチをとるのであれば、需要だけではなく供給の状況も調べるべきですね。需要は多いけれど、それ以上に供給も多いようであれば、際限のない価格競争に陥るのは目に見えています。需要はそこそこあって、供給が少ない分野というのが一番おいしいのです。

では、そのような分野とは何でしょうか? 簡単にいえば、参入障壁が高い分野がそうです。少なくとも、ド素人でも簡単に始められるような分野はそれには該当しません。

話を戻して、「需要のある言語は何ですか?」といった質問に対する回答は、多くの場合ネット検索で入手しやすい情報に基づいています。その時点でかなりバイアスがかかっているのですが、回答をもらった質問者がそんなことに気づくはずもありません。

そして、習得が容易な言語から学ぶことを推奨する人たちのほうが多いため、需要も多いかもしれないけれど、供給過多の分野に身を投じてしまいます。では、習得が難しい言語から学べばいいのかというと、それではきっと挫折してしまいます。

営業担当者であれば、需要と供給は真っ先に考えるのかもしれません しかし、ひとりの技術者の場合、結局のところ「需要のある言語」から入るというアプローチはあまり得策ではありません。

一番いいのは、本当にやりたい分野が何なのかを見極め、それに適した言語を身につけることです。やりたい分野というのは、その人が情熱を傾けられる分野ということです。単にお金儲けがしたいとか、身内や世間に対して見栄を張りたいとかの動機だけでは、何をやったところでうまくいくはずがありません。

情熱を傾けられる分野というのは、就職前の時点で、何らかの活動をしているものですよね? 就職してから教えてもらおうというのは、いかにも情熱に乏しい人が考えることです。これからエンジニアを目指そうという方は、その点を踏まえて、自分はどうなのかをよく分析してみてください。