こんにちは高木です。
今回も『孫子』の話題です。さかうえひとしさんが昨日に続き後編の動画を公開されています。まずはその紹介から
この後編で扱っている範囲には、私が『孫子』の中でもとくに好きな言葉が2つ出てきます。
1つ目は、「軍争の難きは、迂を以て直となし、患を以て利と為す」です。「迂」とは迂回、すなわち遠回りのことです。遠回りしているように思わせておいて、敵より先に目的地に着く。不利を有利に変える。という意味です。
私はどちらかというと単純で、行動パターンはちょっと変わってはいますが慣れれば非常にわかりやすいようです。こういうトリッキーな動きには憧れます。それと、この言葉の意味とはちょっと違うかもしれませんが、辛抱強く待つことの大事さも教わりました。単純な私は安易に結果を得るためにせっかちな行動を取りがちです。ときにはじっくりと時間をかけて機が熟するのを待つことも大事なんだと思います。
2つ目は、「小敵の堅は大敵の擒なり」です。意味を簡単に説明すると、弱者が意地を張っても強者の餌食になるだけである。ということです。負けず嫌いなところがあって、ついつい意地を張ってしまいがちなのですが、そんなことをしても何もいいことはないんですよね。ちゃんと状況を分析して、攻めるときは攻め、引くときは引くことが大事だということです。
この言葉の少し前から引用すると、
故に用兵の法は、十なれば則ちこれを囲み、五なれば則ちこれを攻め、倍すれば則ちこれを分かち、敵すれば則能ちこれと戦い、少なければ則能ちこれを逃れ、若かざれば則能ちこれを避く。故に小敵の堅は大敵の擒なり。
となっています。10倍の兵力があれば包囲し、5倍なら攻撃し、2倍なら敵を分断し、互角なら善戦し、兵力が劣っていれば退却し、勝ち目がなければ戦わない。弱者が意地を張っても強者の餌食になるだけである。という意味です。
これら以外にも『孫子』には魅力的な言葉がたくさんあります。普段は技術書ばかり読んでいる方も、たまにはこういった本を読んでみるのも悪くないと思いますよ。